【iPhone】充電できない9つの原因と解決方法

今回はiPhoneの充電が突然できない状況になった時の対処方法について解説します。iPhoneが充電できなくなると、本体の故障や修理の必要性を考えてしまいますが、Lightningケーブルが断線した可能性など、本体以外の場所に原因がある場合が多々あります。
当記事を2015年5月に公開した頃から、多くの読者の方に「解決できた」とコメントやメールで多く頂いており、これまでに解決した事例が多い順に、原因と対処方法を詳しく解説していきます。
iPhoneが充電出来ない問題は再起動で改善することが多い
iPhoneにLightningケーブル(充電器)を接続しても、突然充電されなくなってしまった時は、iPhoneのソフトウェアに問題が生じていることが多く、ほとんどの場合はiPhoneを再起動する事で改善することが多いです。当記事を見てくださった方々からも、再起動で直ったとのご報告が目立ちます。
iPhoneを再起動するには、iPhone側面の電源/スリープボタンを長押しして、スライドで電源オフを横にスライドし電源をオフにし、画面が完全に消灯したら再び電源/スリープボタンを長押しして電源をオンにしてください。
※ スリープボタンとホームボタン(iPhone7以降はスリープボタンとボリューム小ボタン)を同時押しで再起動する「ソフトリセット」ではありません。
画面が暗転している場合は完全放電が原因である可能性
iPhoneにLightningケーブル(充電器)を接続しても、画面が一切点灯(暗転/ブラックアウト)しない場合は、iPhoneが完全放電(バッテリー残量が0%)している可能性が考えられます。
完全放電してしまっている場合は、iPhoneを電源に接続して10分程度待ち、iPhoneが復旧しないか確認してください。
OA(電源)タップを使用している場合は使用を中止する
iPhoneをOAタップ(タコ足)にACアダプタを接続して充電をしている場合は、一度OAタップの使用を中止して、異なるOAタップ、或いは壁面のコンセントに直接接続して、充電がされないか確認してください。
もし異なる電源から充電ができた場合は、OAタップの故障が考えられるので、OAタップの買い替えをする必要があります。なお買い換える際には、100円ショップで購入できるような安価なOAタップは、物によっては電圧が不安定なものもあるので、可能な限り避けるようにした方が良いです。
ACアダプタを挿すコンセントの差込口を変更する
壁面コンセントにiPhoneのACアダプタを直接接続している場合は、別の壁面にあるコンセントに接続することで、充電されないか確認してみてください。
もし別の壁面コンセントで充電できる場合は、壁面コンセント側に問題がある可能性があるので、賃貸であれば管理会社、持ち家であれば設備屋に点検をお願いすると良いかと思います。
Lightningケーブルが断線していないか確認する
PhoneのLightningケーブル(充電器)は、ケーブルの被膜や根本が非常に脆く、一般的に考えられる範囲で使っていたとしても、断線するケースは珍しくありません。もしケーブルの根本が折れ曲がっていたり、被膜に破れがあるようであれば、別のLightningケーブルで充電出来ないかお試しください。
また商品パッケージに「MFi認証」のロゴ(Made for iPhone)が記載されていない、安価なLightningケーブルを使用している場合は、iOSのアップデートによって動作しないなる場合もあるので、買い換える際には純正あるいはMFi認証のロゴがあるLightningケーブルを購入するようにしてください。
ACアダプタの故障・錆などを確認する
iPhoneのACアダプタ自体が故障するのは稀ですが、保管状況によってはプラグ部分が錆びてしまったり、内部が劣化してしまい充電できなくなる場合も考えられます。またMFi認証がされていない、非正規のACアダプタを使用している場合は、iOSアップデートにより使用出来なくなっている可能性も考えられます。
もし「ACアダプタに腐食がみられる」「非純正の格安ACアダプタを使用している」といった場合であれば、純正のACアダプタで充電が出来ないか試してみてください。
PCで接続しているUSBポートを変更する・使用を中断する
パソコンのUSBポートにLightningケーブルを接続し、iPhoneの充電をしている場合は、異なるUSBポートに接続して充電されないか試してみてください。
iPhoneを充電するには一定の電力量が必要なので、パソコンのUSBポートに十分な電力が流れていない場合や、バスパワータイプ(電源を必要としない)USBハブをお使いの場合は、セルフパワー(電源を必要とする)USBハブに買い換える必要があります。
iPhoneの初期化・復元を試してみる
これまでに解説した手順を試しても状況が改善しない場合は、iOSに不具合が生じている可能性も考えられるので、iPhoneをバックアップした後に初期化・復元を行ってください。
Phoneの故障の可能性が考えられる場合はAppleサポートに連絡する

これまでに解説した対処方法を試しても改善せず、尚且つiPhoneの初期化と復元を行っても状況が改善しない場合は、iPhone自体が故障している可能性(Lightning端子の故障やバッテリーの故障)も考えられるため、Appleサポートに「充電できない旨」を伝えてください。
恐らく電話口で初期化や復元、Lightningケーブル云々の故障が無いか確認するよう案内されるかと思いますが、これまでに行った対処方法を伝えることで、不必要な案内を避けることができ、スムーズに修理交換や診断テスト等の案内を受けることができるかと思います。
Lightningケーブルは純正よりも高耐久のサードパーティ製がおすすめ

もしLightningケーブルの断線などによって、iPhoneの充電ができなくなったのであれば、純正のLightningケーブルは避けて、MFi認証(Apple公認)を受けているサードパーティ製の高耐久Lightningケーブルに買い換えることをお勧めします。
高耐久Lightningケーブルは様々なメーカーから発売されていますが、6,000回以上の折り曲げ試験を耐え、18ヶ月保証が付帯しているAnker社の製品がおすすめです。私も好んで使っており、デスク用とベッド(枕元)用で2本常備しています。

ノートパソコン上手に使っていますか? 

バッテリーは経年変化と充放電を繰り返すことによる劣化もあり、「一筋縄ではいかないなぁ」というのが実感です。
しかし、そんなことを言っていても何も得るものがないので、ここでは試行錯誤とバッテリーメーカなどの情報を元にして、賢い使い方を考えてみます。以下の記述はこれまでの経験と集めた情報で構成されています。正確さを期していますが、思い違いや、間違いがあるやもしれません。
そもそもノートパソコンメーカはバッテリを抜いて使うという前提ではおりません。そしてそれらメーカの前提を否定するものではありませんが、しかし、利用者に立って賢くパソコンを使う方法があるだろう?という主旨で書いているページです。
★ご注意★
 実際にやろうとすると煩雑だったりして満充電のまま抜いて内部フューズが切れてパーになったり、逆に抜きっぱなしで忘れてしまいバッテリが過放電して劣化してしまうことが想定されますので、これら2つの重要ポイントとバッテリの仕組みが理解できたうえでやってみようとする人だけがトライしてみてください。
どなた様のパソコンにも例外なしに適合するものでもありませんので、いちどメーカに問い合わされるのが最善と考えます。そのときに下記のような知識、情報をインプットされてメーカの技術が分かる人にお尋ねください。少なくともYes,Noの返事はもらえるはずです。ダメならその理由も明確に教えてもらえると思います。
1.バッテリを外して大丈夫!?

こんなメールをいただくことがあります。

バッテリーを実質使ってなければ、外して保存が原則 
もちろんすべてのノートパソコンに当てはまるわけではありませんので、念のためメーカにはご確認ください。

市販されているパソコンにはノート型とデスクトップ型の大きく分けて2種類あります。バッテリといえば、どんなメーカのどんな型のパソコンにも例外なく入っている時計を動かす小さな電池(通常はボタン電池)が一個はいっています。このバッテリは抜くことはできません。
その他に、ノート型にはバッテリパックという単三電池のような小さな電池が何本も束ねてあるバッテリがあります。これはAC100V電源が無くても使えるようにバッテリパックから電源の供給を受けれるようにしている仕掛けです。
他方、デスクトップ型パソコンにはそのバッテリパックに相当する仕掛けはありません。常時AC100V電源が使えることを前提に作られていて電気が来ないときのことは一切考えられていません。

なにをいいたいかといえば、コンピュータの仕組みにとっては安定な電源を供給してくれるものならば、バッテリであろうが、AC電源であろうが、風力発電でも、太陽光発電でも、燃料電池でも、・・・なんだってかまわないのです。
そこでノートパソコンの仕組みを見ると、私がこれまで見たパソコンではバッテリを外しても特に問題がないものでした。

というのも、もしバッテリパックを付け忘れて、AC電源でスイッチを入れたらパソコンが壊れてしまうような設計をしていたら故障品の山が戻ってくるでしょう。人というのは注意書きとかは見ずにスイッチを入れるものだからです。
ですから、メーカとしてはどんな使われ方をされようとも簡単にこわれるパソコンを出したらクレームの嵐に遭うのはわかっているので、そこはあらゆる想定を考えて安全なようにつくるものです。
こういう背景がありますが、それでも念のためメーカにお尋ねください。
2.バッテリのメリット

・・・・不意の停電に威力を発揮する

通常、 バッテリーを使おうが使わまいが、バッテリーが刺さっているだけで不意の停電には見事に役割を果たしてくれます。
これがメリットになるでしょう。しかし、雷と電力会社の事故を除いて、日本の電力事情で瞬間でも停電になることは年間を通しても限りなくゼロと言えます。東京電力の停電危機が昨年はありましたが、これは例外と言えます・・・・
その前提では、いつも机の上で置きっぱなしで使っているノートパソコンにバッテリーが刺さっているメリットはなく、むしろバッテリ自体にとってはデメリットになると考えています。

我が家のノートパソコンも世代を交代してきていますが、Dynabook、Mebuis2代目、Muramasa、もう何年になるでしょうか、バッテリーは刺さっていません。
3.デメリットってなに?

形だけバッテリが刺さっていても、バッテリーが劣化しきっているとか、そもそも不良のバッテリーがパソコンに装着されているだけでは本来のバッテリの役目は期待できません。
ところが長年バッテリーを刺しっぱなしで、かつ何も意識しないでいると、劣化しきっていることも気がつかないことが往々にしてあります。

これをチェックするのは簡単です。
いったんパソコンの電源を切って、電源アダプタのプラグをパソコン側から抜きます。つぎに、パソコンの電源スイッチを入れます。ここでパソコンが立ち上がってこないか、途中で切れたら、バッテリーが知らない間に劣化していたか、メモリ効果(ニッカド系バッテリー)でフル充電出来ないか、はたまたバッテリ内部ヒューズがとんでバッテリパックが故障している状況などが考えられます。ちゃんと立ち上がってきたら、バッテリーの充電状況を数字で確認できれば有る程度の目安が付きます。
直前まで連続して使っていた訳ですから、すくなくともその数値が70%以上、もっとあるはずです。
4.バッテリーの面倒をみるのは忘れがち

 ・・・数ヶ月に一度は充電を!過放電は電池寿命を縮めるので!!
バッテリを外す事がいいことばかりではありません。
バッテリーをはずして数ヶ月も放置していて、いざバッテリーを使おうとしたら自己放電していて充電に手間取り、外出に間に合わずあわを食った失敗談がありました。
また、放置しっぱなしで1年も過ぎると自己放電して電池が空っぽになり、次に フル充電できなくなる ことがあるので、かならず数ヶ月に一度、少なくとも半年に一回は充電してください。

バッテリを外して管理していくことはいそがしい日々の仕事・生活では忘れ去られる傾向とは思いますが、バッテリをダメにしないためにくれぐれも時々思い出して充電して使ってください。
5.バッテリーには種類がある

ひとくちにバッテリーといってもノートパソコンに使われるバッテリーの種類はいろいろあります。
そこで、実際に使われている種類をまず確かめましょう。

調べ方ですが、
1.製品カタログの仕様欄 (電気店に置かれているパンフレットで、最後のページの電源の項目あたり)
2.取扱説明書 (記述があるかと調べたが私のパソコンのマニュアルには書かれていない)
3.電池を抜いて説明書きを見る (これが一番早く確実にわかるでしょう。セルを作っているバッテリーメーカー名、種類、電圧、容量、注意書きなど)。 ただし、英語でかいてある場合もあるので、見にくいかもしれません。
4.パソコンメーカに聞く 
これらの内のどれかでしょうから、まず先にバッテリーの種類を確認してください。というのはバッテリーの種類によって使い方が違ってくるからです。

パソコンが起動しない・電源が入らない時に試したい基本対処方法2

パソコンを使おうとしたら、ある日、突然、起動しない・電源が入らないといったトラブルに遭遇したことは、ありませんか?

昨日まで問題なく使えていたのに、何故…全く原因がわからない。

心当たりがないのに動かなければ、パソコンが壊れたと焦ってしまうものです。

パソコン修理ランキングでも1位になるほどの故障原因ですが、意外と簡単に直ってしまうこともあります。本当にパソコンが壊れているのか、簡単な方法で確認してから、買替えや修理の依頼を検討してみましょう。

メーカーや販売店のサポートに電話をかけた際に勧められる方法も紹介しており、初心者の方にも出来る内容もありますので、慌てずにゆっくりと対処方法を試して、確かめていきましょう。

パソコンが起動しない時に考えられる要因は、大きく分けて2つです。

スイッチを入ると電源ランプが点灯する
これから紹介する対処方法を試してから、買替え・修理の検討をしてみましょう。
スイッチを入れても電源ランプが点灯しない
1~3の対処方法を試しても直らない場合、パソコン内部の特定のパーツ(部品)が壊れている恐れがあり、ここで紹介している対処方法を試しても直らない可能性が高いです。メーカ・販売店のサポート、パソコン修理業者へ1度相談してみましょう。
初めてパソコンの修理を依頼する場合は、修理に出す前に確認しておきたいこと・決めておいた方が良いことが色々とありますので、パソコンを修理に出す前の注意点 を参考にしてみて下さい。
1.CD/DVDを取り出し、USBメモリなどのメディアを取り外して起動

一般的なパソコンは電源を入れると、まずHDD(ハードディスク)にアクセスして、Windowsを読込み、起動します。

しかしパソコンのメーカーによっては、HDDよりも先に光学ドライブ(DVDドライブ)やUSBメモリなどのメディアにアクセスし、起動する設定になっていることがあります。

このような設定になっているのは、トラブル発生時に非常用システムを起ち上がるようにしている為で、BIOS設定によって制御されています。

BIOS設定で、起動の優先順位を任意に変更することは可能ですが、この変更は上級者向けで、パソコンに詳しくない方には、お勧めできません。

ただ起動の優先を変更できなくても、光学ドライブからディスクを取出したり、USBメモリなどのメディアが挿さっていなければ、自然とHDDにアクセスするようになっています。

パソコンが起動しない場合、光学ドライブの中にディスクが入っているかどうか、USBなどのメディアが接続されたままになっているかどうかを確認しましょう。

BIOS設定を変更せず、HDDを優先して起動させる

光学ドライブにディスクが入っている場合は、取り出す。
USBメモリなどのメディアを全て取り外す。
パソコンを起動する。
2.パソコン内部に溜まった電気を追い出す(放電)

パソコンを長時間使用していると、パソコン内部に不必要な電気が溜まって、動作が不安定になったり、正常に起動しないことがあります。この場合、溜まってしまった電気(帯電)を放出するために、放電を行う必要があります。

メーカーや販売店のサポートに電話しても勧められる対処方法で、症状が解消される可能性があります。放電して直る場合は、メーカーや修理業者に修理に出しても同じ現象が再現されないことが多く、送料など修理費がムダになることもありますので、以下の手順を参考にして、放電を試してみましょう。

パソコンを放電する方法

起動中のアプリケーションソフトを全て終了させる。
※光学ドライブ(DVDドライブ)にディスクが入っている場合は、取り出しておきます。
パソコンをシャットダウンさせて、電源を切ります。
パソコンに接続しているUSBメモリなどのメディアも含め、全ての周辺機器・ケーブル類を外し、パソコン本体に何も接続されていない状態にする。
※USBやSDカードなども全て取り外します。ノートパソコンの場合は、バッテリーも外してください。
放電を行います。1分~2分程、このままの状態で放置します。
※放電方法は、パソコンのタイプやメーカーによって異なりますので、付属の説明書などを参照してください。
放電が完了したら、パソコンの起動と操作に必要な電源ケーブル(ACアダプター)とマウス・キーボードだけを接続します。
※ノートパソコンの場合は、バッテリーも取り付けてください。
パソコンの電源を入れて、起動するか確認する。
ワンポイントアドバイス

放電後に正常に起動すれば、電源装置の一時的な不具合と考えられます。ただ何度も同じ状態になる場合、パソコン内部の電源装置などのパーツが壊れかけているという可能性もありますので、パソコンが起動しなくり、データが取り出せなくなってしまう前に修理を依頼した方がいいでしょう。

3.パソコンに適した室温にしてから起動する

パソコンは、HDD・マザーボードなど、とてもデリケートな精密機械のパーツを集めて、稼働させています。各パソコンメーカーによって、多少の誤差はありますが、パソコンを使用する環境の適正室温をみると「10~35℃」くらいがベストだと言われています。

パソコンのベスト環境:温度10~35℃、湿度20~80%(ただし結露しないこと)

その為、冬場の冷え込みの厳しい早朝・深夜など、0度以下になる環境で部屋が低温の状態だと、パソコンが起動しなくなることがあります。

一般的にパソコンは、熱・湿度に弱いという認識が強いですが、HDD・電源ユニット・マザーボードなどは、実は寒さにも弱いパーツです。

パソコンを温めてあげれば良いと、暖房などで急激に温度を上げてしまうと、パソコン内部が結露してしまうことがあり、別の故障につながりますので、注意しましょう。こういった環境で使用している場合は、パソコンを置く場所を変えてみましょう。

パソコンを使用する環境を考える

温度の高い場所での使用を避ける。
湿度が高い場所でパソコンを使用しない。
窓際には置かないようにして、パソコンに温度差を与えない様にする。
4.モニター画面の状態を確認して機能などを解除する

電源ランプがつかない場合、「画面オフ機能」や「スリープ機能」、「休止状態」になっている可能性があります。よく確認するとモニターの電源ランプがついていることもあります。パソコンの機種によって、画面オフやスリープ、休止状態を解除する方法は異なりますので、マニュアル内で解除方法を調べて指示に従って操作し、解除してみましょう。

5.パソコン内部の掃除を行う

パソコンの内部にホコリが溜まると、パソコン本体の温度が高くなり、正常に起動できなくなることがあります。

この場合、掃除をしてホコリを取り除くことが必要になります。パソコン付属の説明書を見て、本体のケースを開け、ホコリが溜まっていないか確認してみましょう。
※ただし保証期間内の方は、むやみに開けず、メーカーや販売店に一度相談してみましょう。

ホコリが溜まっている場合、エアスプレーや刷毛などの専用の道具を使って、パソコン内部の掃除を行いましょう。

初めて挑戦してみようという方は、パソコン内部の掃除方法【デスクトップ編】で掃除方法を紹介していますので、参考にしてみて下さい。

掃除の際には、静電気の除去を行うことを忘れないよう注意してください。静電気によってパソコンの部品が使えなくなってしまうことがありますので、作業の直前には、鉄やステンレス製の部品(手すり、棚の取っ手など)を触って、体内から静電気を逃がすようにしておきましょう。

ただしパソコンに不慣れな方が掃除をすると、パソコンが起動しなくなってしまうことがありますので、どうしてもパソコン内部の掃除を行いたい場合は、メーカーや販売店のサポート、パソコン修理業者に依頼することをお勧めします。

パソコンが起動しない

パソコンの電源スイッチを入れてもパソコンが起動しない原因は、発生する症状によって対処方法が異なります。
下記の「症状別対処方法」を確認して、問題の切り分けを行なってください。
パソコンの電源スイッチを入れても電源状態ランプが点灯しない症状は、次の順番で問題の切り分け作業を行ってください。

ACアダプターを接続して使用している場合
ACアダプターを接続してAC駆動で使用している場合は、下記の切り分け作業を行なってください。
■    バッテリー充電ランプが点灯していない場合
1)    バッテリー充電ランプが点灯していない場合は、ACアダプターから電源が供給されていない可能性があります。
ACアダプター接続先の電源コンセントやパソコンとの接続状態を確認してください。
2)    ACアダプターを電源コンセントから取り外し、パソコン側に接続しているACアダプターのコードを取り外します。
次にパソコンからバッテリーパックを取り外して、1分以上放置してください。
1分以上放置後にパソコンにバッテリーパックを装着し、ACアダプターを接続して症状が改善するかを確認してください。
■    バッテリー充電ランプが点灯している場合
バッテリー充電ランプが点灯している場合は、ACアダプターからの通電には問題ありません。
パソコン本体の故障の可能性がありますので、ご購入されたご販売店で修理のご相談をお願いします。

バッテリー駆動で使用している場合
ACアダプターを接続せずにバッテリー駆動で使用している場合は、下記の切り分け作業を行なってください。
1)    電源スイッチを入れるとバッテリー充電ランプが赤色で一瞬点灯する場合は、バッテリーの残量がありません。
ACアダプターをパソコンに接続して症状が改善するかを確認してください。
2)    パソコンからバッテリーパックを取り外して、1分以上放置してください。
1分以上放置後にパソコンにバッテリーパックを装着し、症状が改善するかを確認してください。

上記確認作業でも症状が改善しなかった場合
パソコン本体の故障の可能性がありますから、ご購入されたご販売店で修理のご相談をお願いします。

パソコンの電源スイッチを入れるとWindowsが起動しないが、パソコン本体は動作している症状の場合は、次の順番で問題の切り分け作業を行ってください。

周辺機器などを接続している場合
周辺機器を取り外してから、症状が改善するかを確認してください。

RAMモジュールを増設または交換した場合
RAMモジュールを取り外してから、症状が改善するかを確認してください。

セットアップユーティリティ(BIOS画面)を起動して、セットアップユーティリティの設定を工場出荷状態に戻してから、症状が改善するかを確認してください。
セットアップユーティリティ(BIOS画面)の起動方法については、下記FAQを参照してください。
ハードウェアに異常がないかを診断するために、自己診断機能(PC-Diagnostic)を実行してください。
Windowsのセットアップ画面が表示されず、下記のエラーメッセージが表示される場合があります。これは、Windowsのセットアップが始まるまでにパソコンの電源が強制的に切れた場合(ACアダプターを抜いたり、ACアダプターを接続せずにセットアップしてバッテリー残量がなくなったりした場合)に表示されるメッセージで、再インストールするまでWindows が使えなくなります.この場合は、HDDを再インストールしてください。

あなたのPCはトイレより汚いかも?

「年末PC大掃除!」多忙なビジネスマンこそ知るべきお手軽クリーニング術

気づけば、2016年もあと数日。多くのビジネスマンが年末に向けて追い込みをかけている頃ではないでしょうか。

そしてそれは、1年間ともに働き続けたPCも同じこと。よく見てみると、今まで気付かなかった液晶の汚れや、キーボードの間にたまっているホコリが目に付きませんか?

そこで今回は、“年末大掃除”とかけて、たった「5分」で劇的に綺麗になるクリーニング術を、PC修理のプロであるの木谷さんに伝授して頂きました。

「忙しくて掃除どころじゃない!」というビジネスマンこそ必見!あなたの相棒をピカピカにして、仕事納めに向けてラストスパートをかけましょう!

キーボードや液晶だけじゃない!?掃除すべきPCの汚れポイント

―早速、ノートPCを掃除するにあたって、チェックすべき箇所を教えてください。

木谷:PCが汚れる部分として特に注意しなければいけないのが「CPUファン」ですね。CPUファンがきちんと動いていないと、熱暴走を起こす危険性があります。基盤の熱を冷やすために欠かせない装置です。

PCを起動し続けているとどうしても外の空気を吸い込んでしまうので、掃除が行き届いている場所で仕事をしていても多少はホコリを取り込んでしまいます。使用環境によっては完全にホコリが詰まってしまうこともあるので、まずはCPUファンを綺麗にすることを考えるべきですね。

ただ、PCによっては裏側を取り外して見ないといけない場合もあります。分解は専門家でないと出来ない場合もあるので、一般の方がCPUのケアをする際は、エアダスターなどで外の入り口からエアを吹きかけてみるとよいでしょう。

ホコリを吹き飛ばすだけでも全然違いますね。

―CPUファンは全く気にしていなかったので、掃除するうえで重要だったとは知りませんでした。目に付きやすいPCの外観部分ではどうでしょう?

木谷:やはり、キーボードの隙間にホコリや食べ物のカスが入ってしまったりすることが多いので、CPUファンの時と同じくエアダスターで吹きかけることによってある程度の汚れは取れると思います。

それから、液晶画面はどうしても指紋がベタベタと付いてしまいますよね?そうした汚れは拭き取ってしまいたくなるのですが、ここでひとつ注意が必要です。

拭き掃除の際に、つい一般的なウェットティッシュを使ってしまいがちですが、実はあれ、とても水分が多いんです。その水分が外枠の隙間から入ってしまうことがあるので、水気の少ないもので拭くことをオススメします。

過去に、なんと液晶に洗剤をかけてしまったお客様もいらっしゃったのですが、洗剤でも水分を直接かけるような行為は絶対NGです。

なので、洗剤を使うのであればティッシュに少量付けてから拭いてください。水分の取扱に十分ご注意ください。

―掃除する箇所としてはここまでCPUファン、キーボード、液晶が出てきましたが、ズバリ一番汚くなる部分ってどこですか?

木谷:実は、意外とトラックパッドが一番汚れているんです。よく見て頂くと分かると思うんですが、隙間にかなりゴミが溜まっていますよね?

―確かに、相当汚れてますね…。

木谷:それに加えて、キーボードの手前の手を置くスペースですね。

やはり、どうしても常に手で触れている部分なので、他の箇所以上に指紋や手の脂がべったりと付着してしまっているんです。なので、汚れが分かりやすい液晶やキーボードに目がいきがちですが、トラックパッド付近も忘れずに掃除してあげましょう。

トイレ以上に汚い?メンテナンスを怠ると起こる様々な不具合

―多忙なビジネスマンの場合、なかなか掃除する暇もなくPCを1年中使い続けてしまうこともあると思うのですが、長い間ケアを怠ってしまうことによって起こりうる異常や問題があれば教えてください。

木谷:メンテナンスをせずに使い続けてしまうと、PCの内部に熱がこもり、コンピュータの制御や情報転送をつかさどるCPUの温度が下がらなくなってしまいます。それによってPCの電源が付かなくなってしまったり、最悪の場合はPC自体が壊れてしまうこともあるんです。

―症状の大きさはユーザーや使用環境によっても違うのですか?

木谷:だいぶ違いますね。たとえば、犬や猫などのペットを飼っている方ですと、部屋中に毛が落ちてしまっているので、CPUファンに毛の塊ができて完全に詰まってしまうことがあります。

あとは喫煙者の場合ですね。CPUファンによってタバコの煙を取り込んでしまうので、内部にヤニが入ります。それによって、このPCのように気付いたら中が真っ茶色になってしまうことも…。

―機体が白いせいか、汚れがかなり目立ちますね…。仕事をしながらタバコを吸うことは、人間にとってもPCにとっても良くないんですね。

木谷:そうです。たとえば、工場のようなゴミが舞っている現場で働いているお客様の場合だと、PCに大量なホコリが詰まっていても仕方がないとは思います。ですが、それ以上にタバコの煙によるヤニはPCに多大な悪影響を及ぼすので、喫煙者のユーザーの方は特に定期的なメンテナンスが必要ですね。

―ビジネスマンの場合、自分は喫煙者じゃないから関係ないと思っていても、周りにタバコを吸う方がいれば、PCも人間でいう受動喫煙してしまっている可能性がありますしね。そういった使用環境にいる方々もメンテナンスは欠かせませんね。では極端な話、モノによってはトイレより汚いPCもあるのでしょうか?

木谷:ユーザーの方によりますが、使い方や使用環境によってはトイレより汚いと言っても過言ではありません。

当店のような修理専門店にPCを持って来られる方というのは、多忙だからというのもあるとは思いますが、あまりメンテナンスという点において気を使われていない方が多いので、そういったPCに遭遇する機会はよくありますね。

仕事の合間に「5分」でできる!プロが教える簡単PCクリーニング術

―本当に身近で買える物ばかりですね!では、そういったお掃除グッズなども踏まえて、忙しいビジネスマン向けに仕事の合間にでもできる簡単なPCの清掃方法を実践しながらレクチャーして頂けますか?

PCクリーニング術その1:CPUファン

木谷:分かりやすく古いタイプのPCで説明しますね。本当に手っ取り早い方法は、このCPUファンの通気口にエアダスターを吹きかけることです。これは10秒ぐらいで終わる作業なので簡単ですね。

ただ、吹きかける際は必ず電源を落として、アダプターも抜いておいてください。外観部分を軽く拭く程度なら電源を付けたままでも構いませんが、ガッツリ掃除するのでしたらシャットダウンはマストです。

それと、バッテリーが外れるタイプのPCでしたら、このように外しておくと安全ですね。

ただし先程もお話しましたが、メーカーによってはPCの裏側を開ける行為は改造行為とみなされ、保証が受けられなくなる可能性がありますので、ご注意ください。

それを踏まえて、CPUファンを中から掃除していきます。このように、ネジを回してパカッと蓋を開けていきましょう。

蓋を開けてCPUファンが見えるタイプのPCだと掃除しやすいですね。続けて、ファンに直接エアダスターを吹きかけていきます。

―風を使ってホコリを飛ばしているんですか?

木谷:そうですね。ですから、何か薬品を使って飛ばしているわけではないですし、風を拭き当てるだけで細かいカスやホコリはしっかり取り去ることができます。

PCクリーニング術その2:キーボード

―キーボードはどのように掃除するのでしょうか?

木谷:キーボードの場合は、液晶用ウェットティッシュで拭いて頂ければ綺麗に汚れを落とせます。

―液晶用ウェットティッシュは画面だけでなく、キーボードを含めたPC全体に使用できるんですね!

木谷:そうですね。使い勝手がいいのでとても便利です。それと、CPUファンの時と同様にエアダスターで吹きかけでも効果はあると思います。

ウェットティッシュやエアダスターがない場合は、綿棒を使ってキーボードの隙間を拭いて頂くだけでもいいと思いますね。

―なるほど。基本的に「拭く」「飛ばす」というのが手っ取り早い清掃方法として考えていいのでしょうか?

木谷:あまりに深刻な汚れや故障であれば専門家頼みということになりますが、ユーザーの方ができる範囲としては、その2つの清掃方法が素早く綺麗にしてあげられると思います。

PCクリーニング術その3:液晶画面

―液晶画面の掃除の際ですが、紹介して頂いた液晶用ウェットティッシュを持っていない方もいると思うので、自宅にある物でできる清掃方法はあれば教えてください。

木谷:その場合は、一般的に使われているようなリビング用の洗剤をティッシュに付けて拭いて頂ければ液晶用ウェットティッシュの代わりには十分ですね。

注意点としては、あまり付け過ぎないというところと、拭き終えた後に何も付けていないティッシュで空拭きをしてあげると拭き跡も残らずに綺麗にすることができます。

汚れがひどい場合でも、洗剤が少し湿ってるくらいで構いません。それでも軽く拭きとるだけでこの通りびっしりと汚れが取れます。

―真っ黒ですね~。これぐらいしっかり汚れが取れると逆に気持ちがいいです(笑)

PCクリーニング術その4:トラックパッド周辺

木谷:最後にトラックパッドとその周辺部分を掃除していきます。今までと同じように液晶用ウェットティッシュを使って、ゴシゴシ拭いていきましょう。

冒頭でもお話したように、トラックパッドの隙間なんかにゴミが溜まりやすいので見落とさないようにしてください。

それと、シミや手の脂がこびりついてしまった汚れはなかなか落とすことができないので、その場合は激落ちくんで擦ってあげるとだいぶ違うと思います。

―激落ちくんの場合も洗剤や水を付けて拭くんですか?

木谷:重度の汚れなら洗剤などを少量染み込ませます。ですが、基本は付けなくても十分汚れを落とすことは可能ですね。

劇的!PCビフォーアフター

―では、木谷さんがPCにクリーニング術を施す前後でどれくらい効果があるのか検証させてください。

木谷:はい。分かりやすいようにPCの液晶画面で比べてみましょう。左半分が拭く前で、右半分が液晶用ウェットティッシュで拭いた後になります。

―もう明らかに違いますね。掃除を怠っていた僕としては、今まで左半分の状態で仕事をしていたんだという事実に動揺を隠せないでいます(笑)

木谷:ずっと汚れたままで使い続けていると、その状態に目が慣れてしまって実際の汚れに気が付かなかったりしますよね?なので、このように一度PCの汚れの差を知ることで、定期的なメンテナンスの継続に繋がるいいきっかけになるのではないでしょうか。

ノートパソコンでACアダプタが認識されない

ノートパソコンでACアダプタが認識されないことがあります。

NEC製、Lavie L LL750/CS6C を使っているのですが、ここ最近ACアダプタ電源が認識されません。
AC電源にて利用中、コード等が抜けていないにも関わらずバッテリー起動になりで2時間位でバッテリー容量がなくなります。
気がついてコードを抜き差ししてもAC電源供給になることはなく、電源を切りバッテリーを一旦外さなければACアダプタが認識されません。
というか、電源さえ入らないこともあります。その時はバッテリーを付けずに起動したらできたので再度落とし、バッテリーを付けて起動しました。

バッテリーリフレッシュ・診断をし、良好の診断がでましたが、数日後には上記のような症状が再発しました。

いつも症状がでるというわけではないので、対策に困っています。
充電のトラブルに関して考えられるのは、ざっと考えても以下のような項目があります。
1.バッテリーのトラブル(内蔵されている充電用チップ等も含む)
2.ACアダプターのトラブル(回路の不具合、断線等)
3.PC本体のAC電源供給部分のトラブル
4.PC本体の充電系統のトラブル
5.PC本体とバッテリーの接続部のトラブル

実行して確認してみるのは、バッテリーを完全に外した状態で、ACアダプターのみの接続でPCを使用した場合に、起動出来るかどうか?です。
何度使っても、完全に起動出来るなら、ACアダプターと、PC/ACアダプターの接続には、問題が無い事になりますから、バッテリーを含む充電系統のトラブルという可能性が高くなります。

逆に、全く起動出来なかったり、起動出来ない場合があるなら、バッテリーとは関係なく、ACアダプターや本体との接続に問題がある可能性が高いと思われます。
可能なら、コンセントとACアダプターを繋いでいるケーブルなど交換してみれば、その部分での断線の可能性の有無が確認出来るかと。

PCをUSB Type-C/USB PD対応モバイルバッテリーで充電する新しい使い方

今年はUSB Type-Cの当たり年と言ってよいほど、USB Type-Cに対応した機器が増えている。モバイルノートPCも同様で、今年のモデルからUSB Type-C端子が搭載したノートPCが爆発的に増えつつある。

そうした製品に、USB Type-C、そしてUSBに大電力を供給する仕様であるUSB PD(PowerDelivery)に対応したモバイルバッテリーを組み合わせると、1日バッテリーで利用できるノートPCの使い方が可能になるのだ。

 現状一般的なノートPCに採用されているCoreプロセッサのUプロセッサ搭載のPCが必要とするような45W、65Wに近い給電を可能にしているUSB PD対応モバイルバッテリーで日本国内で正規に販売されているのが、ASUS JAPANが販売しているZenPower Maxになる。

本記事ではそうしたUSB PD対応モバイルバッテリーでPCが充電出来るようになる背景、実際の使い勝手などについて紹介していきたい。

デジタルの標準端子の座を獲得したUSB、新しいUSB Type-C端子へ徐々に移行

 デジタルの世界で標準規格の端子としての座を獲得しているのがUSB(Universal Serial Bus、ユーエスビーと発音する)であることに異論を唱える人はいないだろう。1996年にIntelやMicrosoftなどが中心となって規定されたUSBは、当初はPCに周辺機器を接続する規格としてスタートした。

その後、USB1.1(1998年)、USB 2.0(2000年)、USB 3.0(2008年)、USB 3.1(2013年)と進化してきて、まもなく新しいUSB 3.2という仕様が規定される予定になっている。

 そうしたUSBの端子で、最近注目を集めているのがUSB Type-C(ユーエスビータイプシー、省略する場合にはUSB-C/ユーエスビーシー)端子だ。USB Type-Cは”USB Type-C Specification”という仕様書の中で規定されている端子で、従来のUSB機器で一般的に利用されてきたStandard-A端子、Micro-AB端子などに変わって、今後普及することが見込まれている。

既に2015年頃から搭載機器は発売されており、PCでは2015年にAppleが発売したMacBook(2015年型)に初めて採用された。その後Windows PCなどでも採用が始まっており、特に今年発売した製品ではプレミアム向けのPCを中心に採用が進んでいる。

USB Type-Cは、従来のStandard-A端子の弱点であった大きさ、リバーシブルではないこと、そしてMicro-B端子の弱点だった大容量の電流を流すことができない点を補うために作られた。

端子は両面どちらも使うことができるリバーシブルで、かつコンパクトでありながら大容量の電力を流すことが可能になっている。また、Altモードと呼ばれる、USBのケーブルを利用して他の規格(DisplayPortやHDMIなど)のプロトコルを流すことができるのも特徴で、USB Type-Cのケーブルを利用してディスプレイ出力を行うなどの使い方もできるようになっている。

 こうした特徴を持っているため、今後USB Type-CはStandard-AやMicro-ABを置き換えていくことになると考えられている。ただ、既にUSBポートはある意味社会インフラの1つになっており、空港や駅といった公共スペースや、航空機や列車の中などにもUSBポート(Standard-A)が備えられていることが増えている。それらがUSB Type-Cに置き換わるまでには10年単位での時間が必要になると考えられるため、時間はかかるとは思うが徐々にUSB Type-Cになっていくだろう。

USBはType-C以前から、スマートフォンやタブレットの充電に活用されてきた。USB 2.0までは5V(電圧) 0.5A(電流)=2.5Wの電力をデバイスに供給できる仕様になっており、ちょうどフィーチャーフォンの充電器の5VのACアダプターと電圧が同じことに注目した人達が、フィーチャーフォン用のケーブルを開発して、PCのUSBポートをフィーチャーフォンの充電に使い始めた。

その後USBのStandard-A端子を持つACアダプタが発売され、PCからではなくUSB ACアダプタにスマートフォンを接続して充電する、そういう使われ方が一般的になっていったのだ。

 だが、ACアダプタでは電源コンセントがあるところでしか充電できない。であれば、どこでも充電できるように…と企画され発展してきたのがモバイルバッテリー。フィーチャーフォン時代には充電に必要な電力も小さかったこともあり、乾電池だったりしたが、大容量の電力を必要とするスマートフォン時代にはリチウムイオン電池が一般的になり、現在に至っている。

 しかし、それでもPCを充電するというモバイルバッテリーは登場しなかった。というのも、従来のUSBの規格では、PCを充電できるほどの電力を供給することができなかったからだ。USB 2.0までは5V/0.5A=2.5W、USB 3.0では5V/0.9A=4.5Wしか規格上は給電することができない。その後、それ以上の給電ができる仕様も登場しているのだが、それでも30Wや45W、65Wといったもっと大きな給電を必要とするPCには十分ではなかったのだ。

 その状況を大きく変えつつあるのが、USB Type-C端子とほぼ同じタイミングで規定されたUSB PD(Power Delivery)と呼ばれる規格だ。USB PDは、従来のUSBの規格ではカバーできなかったような大容量の電力を給電する仕様。最大で100Wまでの電力を供給することが可能になっている。

このため、USB PDに対応したACアダプターでは、45W、65Wなどの大容量の電力を給電でき、PCを充電することも可能になっているのだ。もう1つ重要な事は、USB PDは標準仕様なので、USB PDに対応したACアダプタは、他社製のものであっても利用可能ということだ。

ただし、どれでも使えるかと言うとそうではなくて、少なくともPCが必要とする電力量よりも高い電力を供給できる必要がある。そうした条件は付くものの、純正のACアダプターしか使えなかった従来の状況から比べると飛躍的に自由度が増す、そういう時代になりつつある。

 実際、筆者はAppleが同社のMacBook Pro用に販売している61W USB-C電源アダプタ(MNF72J/A、7,400円/税別、Apple Store価格)とUSB-C充電ケーブル(2m) (MJWT2AM/A、2,200円/税別、同)を、LenovoのThinkPad X1 Yoga(Gen2)に利用している。

Lenovoの純正品であるLenovo USB Type-C 45W ACアダプター(4X20M26255、5,400円/税込、Lenovoオンラインストア価格)、Lenovo USB Type-C 65W ACアダプター(4X20M26271 、5,400円/税込、同)ももっているが、Appleの61W USB-C電源アダプタはケーブルが分離する形になっており、他の機器とUSB Type-Cのケーブルを共有できるという点を評価してこの組み合わせで使っている。

Lenovo純正品のLenovo USB Type-C 65W ACアダプタに比べてやや給電量は減るため、若干充電時間は長くなるが、それでもLenovo USB Type-C 45W ACアダプターよりも短い時間で充電できるため重宝している。

Lenovo純正品ではない、61W USB-C電源アダプタ(MNF72J/A)とUSB-C充電ケーブル(2m) (MJWT2AM/A)で、ThinkPad X1 Yoga(Gen2)を充電しているところ。20.3V/2.79A=56.637Wで充電できている。LenovoのType-C充電器がケーブルが分離できないのに対して、Appleのそれはケーブルが分離できるのが便利

 今後はこうした、メーカー純正品ではないACアダプタをPCでも使うということが当たり前になっていくだろう、そのための標準規格なのだから。そうなると、何がいいかと言えば、本体が必要とする給電量以上のUSB Type-C ACアダプタを購入すれば、どれでも使えるようになる。今だとACアダプタを家に忘れてきたことを空港で気がついたら、慌てて取りに帰るということになると思うが、これからは出先でUSB Type-CのACアダプタを買えば良い。

あるいは今までは同じメーカー同士でしか貸し借りできなかったが、今後は他メーカーのACアダプタでもUSB Type-Cであれば貸し借りできる、今のスマートフォンのUSB充電器がそうであるように。また、将来的にはホテルの部屋や飛行機に、USB PDの給電に対応したUSB Type-C端子が用意されており、それにつなげば充電できる、そういう時代になるだろう。

●60WのUSB PD給電に対応するZenPower Max。Core UなPCも楽々充電

 モバイルバッテリーの中にも、USB PDに対応した製品が登場しつつあり、それを利用するとUSB PDのACアダプタに対応したPCを充電することが可能になる。つまり、モバイルバッテリーを、ACアダプタの代替として利用することができるのだ。

 筆者が利用しているのは、ASUSTeK Computer(以下ASUS)の日本法人ASUS JAPANが販売するZenPower Maxだ。ZenPower Maxは昨年販売開始されたモバイルバッテリーで、96Whの大容量のリチウムイオンバッテリーを内蔵している。

Standard-AのUSB端子を2つ、USB Type-C端子を1つ搭載しており、前者はスマートフォンやタブレット(QuickCharge 2.0に対応)を、後者ではPCなどUSB PDに対応した機器を充電できる。

なお、ASUS JAPANのプレスリリースには一言もUSB PD対応とは書かれていないのだが、グローバルな製品情報にはUSB PowerDelivery対応と書かれているので、無論USB PD対応となる。

なぜ、ZenPower MAXを選んだのかというと、筆者が検討した時点では、日本で販売している他のUSB PD対応モバイルバッテリーはいずれも、USB Type-C/USB PDの出力電力が30Wまでで、ThinkPad X1 Yoga(Gen2)の45W以上のACアダプタに対応という本体側のニーズを満たすことができなかったからだ。

30Wでも充電できるPCは、DellのXPS 13 2-in-1のように、CPUに消費電力が少ないYプロセッサのCoreプロセッサを採用している場合が多く、一般的なノートPCに搭載されているUプロセッサのCoreプロセッサでは45W以上ということが多いのだ。

USB-CのACアダプタになるMacBook Proも、前出の61W USB-C電源アダプタ(MNF72J/A)がバンドルされているので、ACアダプタ利用時とあまり変わらない充電速度を実現するには、やはり60Wの出力が出せるZenPower MAXのようなUSB PD対応モバイルバッテリーが必要になる。 

容量は96Wh、ThinkPad X1 Yoga(Gen2)の規定バッテリーが56Whなので、1.8回分充電できる容量を備える。もちろん、バッテリーはへたるし、何よりも給電、充電の際にロスが発生するので、計算通りに行くわけではないが、一回分充電した後で残りを確認してみると、4つあるインジケータの2つが点灯しており、つまり25~50%の間の容量が残っていると確認できた。

専用のACアダプタは惜しいが、ZenPower Maxと組み合わせるとPCの駆動時間を1日に延ばせる

 このZenPower Max、ここまでの話しではかなりよさげに思えるかもしれないが、2つ弱点がある。1つはせっかくUSB Type-C端子があるのに、そこからはバッテリーそのものを充電することができないこと。充電には付属の専用ACアダプタを持って行く必要がある。

高速に充電できるメリットはあるのだが、そのためだけにわざわざ専用のACアダプタを持って行かなければならないというのはちょっと残念な仕様で、ぜひ次期モデルではUSB Type-CのACアダプタで充電できるようにして欲しい。

もう1つは重量だ。96Whという”モバイル”バッテリーとしては最大級の電力量のバッテリーを内蔵していることもあるし、ケースがとてもしっかりしているので、565gとモバイルバッテリーとしてはかなり重量級と言える。

その代わり多少手荒に扱っても安心なのは良いのだが、それでも565gはちょっと重い。筆者としてはPCを一回充電できればいいので、容量は半分ぐらいか2/3ぐらいで十分で、やや容量を減らして軽量化したモデルが欲しいところだ。

 こうしたZenPower Maxの使い方としては、普段はもって歩かず(重いし…)、必要だと想定される時だけもって歩くようにしている。というのも、筆者のThinkPad X1 Yoga(Gen2)、使い方にもよるが概ね6~8時間程度はバッテリーで利用できるため、2時間ぐらいの取材や会議+数時間のノマドワークぐらいであれば特にACアダプターが無くても問題ないし、そのノマドワーク時に充電すればバッテリー不測が頻発することはないからだ。

 しかし、時には1日ACアダプターにつなげない時もある。例えば、テクノロジーカンファレンスの取材などがその例で、1日朝から晩までプレゼンテーションを聞きながらPCでメモを取る時がある。そういう時は電源があるところに行ってる暇がなかったりするので、なんとかバッテリーだけで1日持たせないといけない。

かなり省電力に使えば8時間近く持つものの、朝8時~夕方18時までのカンファレンスとか言うときは厳しい。そういう時に、拡張バッテリーの代わりとして、ZenPower Maxを持って行っている。例えば、お昼ご飯を食べている時に、このバッテリーにつないでおけば、ほぼ0%の状態でも1時間ぐらいでほぼ80%ぐらいまで充電することができていた。これをもって歩けば1日以上PCを使い続けられる、そういう環境をゲットできるということだ。

 もちろん、だったら最初からPCにもっと大きなバッテリーを搭載してくれよ…と思うのはもちろん筆者もそう思うが、現状では大きなバッテリーを積むと、今度は重いと言われて売れなくなるという問題がある。そう考えればノートPCの設計者が大きなバッテリーを搭載できないのも道理で、そこは長時間が欲しいユーザーが工夫する必要があると筆者は考えている。

 その1つの手段として、今後PD給電可能なモバイルバッテリー、長時間駆動が可能なPCを必要としているユーザーには福音となるのではないだろうか。ぜひともZenPower Max以外にも、60Wや45Wといったより大電力を供給できるUSB PD対応モバイルバッテリーが登場することを期待して、この記事のまとめとしたい。