せっかくどこでも使えるはずのノートパソコンを持っていながら、常にコンセント無しでは作業ができないほど、バッテリーが弱っている人はいませんか?そんな人のバッテリーは、単に「メモリ効果」で本来の性能を発揮できていないだけかもしれません。「バッテリーリフレッシュ」を試す事で、あなたのノートパソコンのバッテリーを復活し、長持ちさせましょう!
経年劣化するバッテリー
ノートパソコンは年を追うごとにバッテリー技術が進化し、かつてはバッテリーの持ち時間(次の充電までの目安で、実際の使用可能時間とは異なります)が10時間もあれば立派だったのが、現在では20時間に達するモデルも登場しています。
しかし、それと同時にこれほどアテにならないものは無いほどなのが、パソコンに表示される「バッテリーの残り時間」です。
残り2時間と表示されていたのに、30分と経たずに「残り15分」と表示されてしまう事もあり、使用状況にもよるとはいえ、あまりにも差が激しすぎないかと嘆く人も多いのでないでしょうか。
その大きな理由に、「バッテリーの経年劣化」があります。
バッテリーをもたせるにはコツがある
ノートパソコンに搭載しているバッテリーはACアダプターをつないで充電、アダプターを外して使用して放電、を繰り返していると、次第に本来の充電ができなくなってきます。
それを「バッテリーが劣化した」などというのですが、劣化する事もあれば、リフレッシュしてあげる方法もある事は意外と知られていません。
それを知らないばかりに、本来は数時間はもつはずのバッテリーを積んだノートパソコンを持ちながら、コンセントのある喫茶店を探して右往左往するサラリーマンも数多くいます。
彼、彼女たちが持っているパソコンがまた、会社の業務用パソコンとして長らく新品が支給されず、使い倒されていい加減くたびれたものですから、なおさらです。
そうしたバッテリー劣化に対応するコツをご紹介しましょう。
厄介な「メモリ効果」
ノートパソコンのバッテリーは、中途半端に放電しては充電して、という使い方を非常に嫌います。
中途半端な充電と放電を繰り返しているうちに、自分がどれだけ充電できて、あとどのくらい使えるか、というのを忘れてしまうのです。
そのため100%充電していないのに充電を打ち切ったり、もう充電が残っていないのに「まだまだ使える」と表示してしまいます。
また、バッテリー残量がまだあるにも関わらず、「もう放電しました」と出力を打ち切ってしまう事もあるのです。
これはバッテリーの「メモリ効果」として知られており、普段充電する上限と放電する下限を、自らの限界値として記憶してしまう厄介な現象です。
それゆえリフレッシュしてメモリを消してあげないと本来の性能を発揮できません。
まずはほぼ完全放電させる
そこでバッテリーのリフレッシュを行い、そのバッテリーが本来持っている性能を思い出させてあげる必要があるのです。
具体的には、まずACアダプターを接続せずにバッテリーのみでノートパソコンを使い、ほぼ完全放電に近いところまで使用します。
使用する機会が無い場合は電源ONのまま放置してもいいのですが、ネットサーフィンでも何でもいいので使っていた方が早く放電します。
なお、OSやアプリで「何%以下になるとデータ保護のためスリープになります」などの機能はあらかじめ切ってください。
放電したら完全充電
0%近くまで放電したら、ACアダプターを繋いで完全充電させます。
この時、本当に0%まで放電させてそのまま放置すると、かえってバッテリーの劣化を促進する悪影響が出ますから注意してください。
充電が100%に達すれば、一通りのバッテリーリフレッシュは終了です。
この操作を、おおむね一ヶ月に一度程度行っていれば、バッテリーは劣化した状態から改善されますが、新品同様とまではいきません。
できれば、月に一度はバッテr-リフレッシュをしてあげたいものです。
また、パソコンによってはメカー独自のアプリとして「バッテリーリフレッシュ」または「バッテリーリセット」などの名前で上記操作を自動的に行ってくれる場合もあります。
パソコンの説明書を読むと書いてありますので、同じく一ヶ月に一度程度は実行してあげましょう。
バッテリーの種類にも注意
基本的に「月に一度は完全放電と満充電を行いリフレッシュ」という点ではどんなバッテリーでも一致していますが、普段の使用についてはノートパソコンにより違うバッテリーの種類で異なる注意点があります。
まず「リチウムイオンバッテリー」は、普段の使用ではそれほど充電・放電に気をつかう事はありません。
メモリ効果はそれほどでも無いので、極端に一日に何度も充電と放電を繰り返したり、真夏の炎天下など極端な高温下に放置しなければいいだけです。
「ニッケル水素バッテリー」の場合はもう少し面倒で、70%まで充電して30%まで放電する、という使い方をしているとメモリ効果が発生します。
その30~70%の間でしか使えなくなってしまうので、積極的にリフレッシュしましょう。
自分のノートパソコンのバッテリーがどちらの種類かは、説明書かバッテリーそのものに記載されています。
バッテリーはパソコンに装着しておくこと
バッテリー切れ対策として、同じノートパソコン用のスペアのバッテリーを持ち歩く人もいますが、パソコンに装着していない、端子がむき出しのバッテリーは自然放電します。
そのため、パソコンから外した状態で長時間そのままにしておくと、過放電で劣化が急速に進んだり故障の原因になります。
それを防ぐためにも、時々スペアのバッテリーと入れ替えて、バッテリーリフレッシュはスペアに対しても行いましょう。
電源があればバッテリーが不要だからと外して使うのも同様で、特に理由が無ければパソコンに装着したままとするのが原則です。